研究課題/領域番号 |
08740418
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
阿部 利弥 山口大学, 理学部, 助手 (10175911)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メリライト / CaAl_2Si_2O_8 / 結晶成長 / 累帯構造 / 融食組織 / 核形成 |
研究概要 |
メリライトおよびCaAl_2Si_2O_8を対象に高温その場観察実験と電気炉合成実験を実施し、過冷却珪酸塩融液から生成する鉱物の種類と特徴を調べた。 生成条件と固溶体発達および形態変化の関係については、メリライト組成(Ca_2Al_2SiO_7-Ca_2MgSi_2O_7)およびメリライトにCaSiO_3、CaMgSi_2O_6を添加した系で実験を行った。結果、成長時のメリライト結晶組成は、実験系は無論のこと、過冷却度にも依存することがわかった。過冷却度が大きく核形成が可能な条件では、種結晶からの成長より、核形成による結晶成長が卓越していた。このため、相平衡状態に近い組成を有する新たな結晶が多数形成されるため、種結晶上の成長による累帯構造の発達は不明瞭であった。一方、小過冷却度や小冷却速度の成長条件では、新たな結晶の核形成は困難になり、種結晶上への成長が優先するようになる。固溶体形成結晶では、成長温度に応じた組成をもつ結晶の成長と累帯構造の発達が予想されたが、実際に成長した結晶は種結晶の組成に相応したものであり、顕著な累帯構造の生成はこの場合も認められなかった。このことは、天然鉱物で認められる累帯構造が成長時で形成されたものではないことを示唆する興味深い結果である。溶解に関しては、固溶体組成に応じて融食組織の発達が認められ、従来研究と調和的な結果が得られた。 また、CaAl_2Si_2O_8を対象とした研究でも、不均質核形成の抑制に配慮した核形成実験を行うことにより、広範囲な条件で偽六方晶系CaAl_2Si_2O_8の生成が認められるなど、有益な知見を得ることができた。
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