研究課題/領域番号 |
08740429
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋爪 光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90252577)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 窒素同位体 / Q-相 / 太陽系始原組成 / 隕石 |
研究概要 |
始原的コンドライト隕石に広くみられるQ相と呼ばれる捕獲相に注目して始原的窒素同位体比組成を求める研究を進めている。現在Yamato-791717という南極で回収された炭素質隕石(CO3タイプ)に化学処理を施しQ組成の希ガスおよび窒素を濃集させる作業を進めつつある。この隕石に注目したのは、この隕石が炭素質隕石の中では比較的変成度が高く、太陽系外粒子(presolar粒子)をごくわずかしか含まないからである。太陽系外粒子は隕石及び大陽系の起源に関して興味深い手がかりを我々に与えるが、本研究の目的のためには、むしろ、Q組成を見えにくくする撹乱要因となる。この隕石の全岩分析(すなわち化学処理を施さずに窒素・希ガスの同位体分析を行うこと)を段階燃焼法という手法を用いて行った。この手法を用いると異なる鉱物あるいは場所に捕獲されたガス成分を見分けることが可能である。その結果、Q-組成と思われる希ガスとよく相関した窒素成分が見られた。この成分のδ^<15>N値(同位体比)は約-150パ-ミルというきわめて低い値であった。この成分はこの隕石だけでなく炭素質隕石Allende(CV3タイプ)においても見られていた(Frick and Pepin,1981)。すなわち、この低いδ^<15>N値を持つ窒素成分がこの隕石固有の‘特殊'な成分ではなく広く太陽系に普遍的に存在するQ-成分である可能性が高い。今後、化学処理を進めて、この成分がQ-相に特徴的と見られる特性、すなわち、酸に不溶でかつ酸化剤により溶解するという特徴を示すかどうかを検証する予定である。
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