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ピコ秒時間分解フーリエ変換ラマン分光計の製作と導電性高分子の光励起状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08740443
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物理化学
研究機関埼玉大学

研究代表者

坂本 章  埼玉大学, 理学部, 助手 (90262146)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードピコ秒時間分解 / フーリエ変換ラマン分光法 / 導電性高分子 / 光励起状態
研究概要

1.ピコ秒時間分解フーリエ変換ラマン分光システムの製作 現有していたフーリエ変換ラマン分光計に応答速度の早いGe検出器とボックスカ-積分器を付け加え,さらにラマン励起光源としてcwモード同期Nd:YLFレーザーとcwNd:YLF再生増幅器のピコ秒パルスレーザーシステム(波長:1053nm,繰り返し:1kHz,パルス幅:約60ps)を組み合わせることによって,近赤外領域におけるピコ秒時間分解フーリエ変換ラマン分光システムを製作した。試料の励起光としては,ピコ秒パルスレーザーの第3高調波を用いた.
2.アントラセンおよびその誘導体の最低励起一重項(S_1)状態の過渡ラマンスペクトルの測定 製作したシステムを用いてアントラセンおよびその誘導体のS_1状態の過渡ラマンスペクトルの測定に成功した.アントラセン類のS_1状態は可視領域に強い蛍光を示すために,これまで過渡ラマンスペクトルは報告されていなかった.したがって,本研究でアントラセン類のS_1状態の過渡ラマンスペクトルを測定できたことは,製作した近赤外光励起ピコ秒時間分解フーリエ変換ラマン分光システムの有用性を示すと考えている.
3.導電性高分子(共役π電子系高分子)のピコ秒過渡ラマンスペクトルの測定とその解析 製作したシステムを用いて,導電性高分子ポリ(p-フェニレンビニレン)の光励起状態の過渡近赤外光励起フーリエ変換ラマンスペクトルの測定に成功した.また,ポリマーのモデルとなるオリゴマーのピコ秒時間分解ラマンスペクトルも,従来のピコ秒ラマン分光システムを用いて測定した.これらを比較することにより,光励起によってポリマー中に生成した光励起状態の同定を試みたが,今のところ明確な結論を得るにはいたっていない.しかし,本研究で開発したシステムを用いてポリマー中の光励起状態の過渡ラマンスペクトルを得ることが出来たことは,今後その分子構造や電子状態,さらにダイナミックスを明らかにしていく手がかりを得たと考えている.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Akira Sakamoto: "Spectroscopic Studies on the Radical-Cation Dimer of a Model Compound of Poly (p-phenylenevinylene). Similarities between the Dimer and the State of Positive Polarons in the Sulfuric-Acid-Treated Polymer." J.Phys.Chem.B. 101(印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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