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加水分解反応を触媒するニッケル複核錯体の創製

研究課題

研究課題/領域番号 08740520
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関大阪大学

研究代表者

山口 和也  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80252550)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード生物無機化学 / 錯体化学 / ウレアーゼ / ニッケルイオン / 複核錯体 / 加水分解反応
研究概要

安定物質である尿素(非酵素的分解での半減期が3.6年)を加水分解する酵素として、ウレアーゼが知られている。ウレアーゼは、高等植物から微生物に至るまで広範囲の生物系に存在している。このウレアーゼの反応活性部位はニッケル複核構造をとっており、その反応活性のためには外因性由来のカルボキシ架橋が重要であると考えられている。このウレアーゼの反応活性部位構造と機能を反映した「加水分解反応を触媒するニッケル複核錯体」を新たに合成することに成功した。
X線結晶構造解析により、合成した錯体は1つのカルボキシ架橋を有し、それぞれのニッケルイオンは2つの芳香族性窒素が配位結合しているニッケル複核構造であることがわかった。ニッケルイオン間距離は3.62Åであり、ウレアーゼの3.5Åとよく類似している。また、この錯体は尿素をエタノール分解する反応を効率的に触媒する事も明らかになった。
また、カルボキシ架橋を持たないニッケル複核錯体も合成した。この錯体はウレアーゼ類似反応を触媒しないが、二酸化炭素を作用させることにより、カルボキシ架橋が生じるとともに、ウレアーゼ類似反応の触媒を行うようになることがわかった。このことは、カルボキシ架橋構造が加水分解反応に対して、重要な構造要因であることを示唆している。
こうした加アルコール反応・加水分解反応を触媒するニッケル錯体を合成することが可能になったとともに、その構造は酵素ウレアーゼの活性部位と類似していることにより、ウレアーゼの活性機構を解明する上においても重要な地見が得られた。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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