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光学活性な酵素モデル錯体の立体特異性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08740522
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関高知大学

研究代表者

米村 俊昭  高知大学, 理学部, 助手 (90240382)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード立体特異性的合成 / 光学活性 / 硫黄架橋二核錯体 / キラル反転 / 水素結合 / チオラト錯体 / コバルト(III)錯体 / 酸化還元電位
研究概要

CoS_4骨格を有する[Co(didentate-N,S)_3Co(tridentate)]型非対称二核錯体(didentate-N,S=2-アミノエタンチオール(aet)、L-システイン(L-cys)、D-ペニシラミン(D-pen);tridentate=ジエチレントリアミン(dien)、D-ペニシラミン、S-メチル-L-システイン(L-smc))を新規に合成した。反応は、N_2ガス雰囲気下で、化合物に応じてpHを5-8、反応時間を30-120分に変化させて行った。光学異性体(ジアステレオマ-を含む)の分離は、カラムクロマトグラフ法(イオン交換)を用いて行った。単離した化合物の構造は、^<13>C-NMR、UV-Vis、CD、IRスペクトルおよび元素分析の結果を基に帰属を行った。この合成過程では、反応物質(コバルト(III)錯体の種類)を変えることによって、ジアステレオマ-を様々な割合で合成することができた。この立体特異性には、水素結合の影響が大きく寄与していると考えられ、[CoCl(NH_3)_5]^<2+>との反応からはΔ異性体が、コバルト(II)イオンとの反応からはΛ異性体のみが選択的に得られた。水素結合の形成の有無は、^<13>C-NMR、IRスペクトルデータに顕著に現れることもわかった。L-smc錯体では、不斉硫黄原子の存在により、考えられる4種の異性体(Δ(R)、Δ(S)、Λ(R)、Λ(S))のうち、L-smc配位子のS-メチルプロトンとL-cys配位子との立体障害の小さいΔ(S)とΛ(S)異性体のみが得られるという立体特異性も認められた。さらに、用いたコバルト(III)錯体の配位原子の種類や配位様式の違いがジアステレオマ-の生成比に大きく影響しているとともに、酸化還元電位が-0.4Vよりマイナス側の錯体を用いた場合には高い割合で絶対配置の反転が起こることがわかった。これは、硫黄原子が架橋する際にこれらのコバルト(III)錯体から相対的に還元されやすい[Co(L-cys-N,S)_3]^<3->錯体の方へ電子が偏ることで[Co(L-cys-N,S)_3]^<3->錯体がラビールな状態になり、コバルトまわりで絶対配置の反転を伴った再配列が起こるためであると考えられた。
本研究の内容の一部は、第72春季年会で発表する。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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