研究課題/領域番号 |
08740533
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
叶 深 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40250419)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 和周波発生法 / SFG / 振動分光法 / 自己組織化単分子層 / Si (111) / シリコン / 構造と配向 |
研究概要 |
本研究では非線形光学の手法の一つである和周波発生法(Sum Frequency Generation, SFG)を用い、電極/電解質溶液界面における電子移動や構造変化のダイナミックスを解明することを目的としている。平成8年度で交付された奨励研究費により、電気化学環境下において、シリコン単結晶Si (111)表面を水素で終端化させ、その際にSi (111)表面に形成したSi-H種の安定性についてSFG法によってその場で調べた。さらにSi (111)/溶液の界面における水分子の吸着挙動についても予備的な調査を行った。 SFG測定は米国のCalifornia大学SHEN研究室の測定システムを用い行った。可視光(Nd : YAGレーザーの二倍波、532nm)と赤外光(2〜10μm間波長連続可変)を入射角45度と57度で入射し、両ビームをSi (111)試料表面の同じ場所に合わせ、両者が空間と時間ともに一致させ、表面SFG測定を行った。水溶液の影響を減らすために、赤外光は試料の裏から入射できるように工夫した。40%NH_4F溶液でSi (111)表面をエッチングすることにより、2100cm^<-1>付近に一本強いピークが観測された。これはSi (111)表面に形成されたmonohydrideのSi-Hの伸縮振動に帰属された。Si (111)表面は原子レベルで平らかつ単原子層の水素で終端化させることが分かった。このSi-Hは空気中にあまり安定せず、時間とともにピーク強度が減少した。一方、不活性の窒素雰囲気中ではSi-Hがずっと安定に観測されたから、空気中の酸素と水によりSi-Hが酸化されたと示唆された。薄いNH_4F溶液中でSi-Hの形成過程や電極電位の制御の効果などをSFG法により詳しく調べた。 現在、当研究室でも電極/電解質溶液界面に応用できるSGF測定システムをくみ上げるように準備している最中である。このようなSGFシステムを用い、高感度かつ超高速で界面における吸着分子の構造変化や電子移動のダイナミックスを調べる予定である。
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