研究課題/領域番号 |
08740550
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
君塚 信夫 九州大学, 工学部, 助教授 (90186304)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 気液単分子膜 / 光生長 / 混合原子価 / 光還元 |
研究概要 |
本研究は、気液単分子膜表面における光誘起無機合成プロセスを開発することを目的とした。得られた成果は、以下のとおりである。 1)Fe^<3+>/Fe(CN)_6^<3->錯体水溶液中にカチオン性両親媒性化合物を展開し、反射スペクトルを測定した。単分子膜が凝縮膜状態にあるときは、700-800nmに極大を有するFe(II)-Fe(III)混合原子価錯体のスペクトルが照射時間とともに増大した。この結果は、結晶状態の単分子膜界面に、界面近傍で光生成した混合原子価錯体が吸着・生長していることを示す(photodeposition)。次に、この光生成反応はFe(III)種の光還元に基づくものであるため、犠牲的電子供与試薬としてフルクトースを共存させた。フルクトース存在下では効率の良い光生長が観測され、有機分子膜結晶を鋳型として光反応により有機-無機複合体を作製できることが明らかとなった。 2)さらに、カチオン性ポリマーであるポリエチレンイミンを吸着させたスライドガラスをFe^<3+>/Fe(CN)_6^<3->水溶液に浸せきして光照射すると、Fe(II)-Fe(III)混合原子価錯体の薄膜が形成された。この薄膜は水に不溶であり、有機ポリマーフィルム上にも光生長できた。さらに、Fe(II)-Fe(III)薄膜上にFe(II)-Cr(III)薄膜をヘテロ積層できることも明らかとなった。以上より、本手法は電気化学的手法等他の手法では得られない、有機-無機複合薄膜の新規作製手法として位置づけることができる。
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