研究課題/領域番号 |
08740584
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松浦 彰 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (10272692)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 出芽酵母 / 分裂酵母 / テロメア / テロメレース / 細胞周期チェックポイント |
研究概要 |
テロメアは線状染色体の末端を構成するDNA・タンパク質複合体である。テロメアの喪失により染色体が不安定になることから、テロメア構造の維持が染色体の正常な機能にとって必須であることが明らかになっている。私は酵母を材料に、テロメアDNAの維持機構の解析を行っている。 まず、出芽酵母におけるテロメレース構成要素の検索のため、活性測定用のプライマーを設計した。さらに、テロメレース構成要素の候補であるEstlpのC末端にHis6-tagを付加し、テロメレース複合体をNiカラムによって精製し、生化学的にテロメレースの構成要素を解析するための系を構築した。 次に、テロメア機能の分子遺伝学的解析を行うめ、分裂酵母においてテロメア付近でDNA二重鎖切断を特異的に誘導する系を構築した。その系を用いて染色体分断後の修復効率に影響を与える変異を検索した結果、テロメアにおけるヘテロクロマチンを構成するタンパク質をコードしているswi6+遺伝子の欠失株、新たに見いだしたtdrlの変異株でその効率が低下していることを明らかにした。これらの因子が果たすテロメア修復機能と、テロメレースとの関係についてさらに解析を行っている。興味深いことに、tdr1変異株ではテロメア長が野生型株に比べ伸長し、テロメア近傍遺伝子の発現調節が異常になっていた。また、分裂酵母におけるテロメア構造の維持機構の解析を行い、欠損によりテロメアの短小化を引き起こす新規の遺伝子として出芽酵母TEL1のホモログであるtel1+、細胞周期チェックポイント遺伝子rad1+、rad3+、radl7+を見いだした。これら遺伝子がテロメア維持においてどのような役割を果たしているかについて、テロメアDNAの維持に関与している二つのメカニズム-組み換え、複製-の両面からさらに解析を行っている。
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