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海草群落に生息する葉上藻食性巻貝と海草の相互作用に関する実験生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08740594
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生態
研究機関東京大学

研究代表者

仲岡 雅裕  東京大学, 海洋研究所, 助手 (90260520)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード海草 / 軟体動物 / 群集 / 個体群 / 季節変動 / 空間異質性 / 競争 / 動物植物相互作用
研究概要

本研究では野外調査および実験により、海草類と葉上藻食性巻貝類の相互関係について、以下の新たな知見が得られた。
1.藻食性巻貝の個体数変動の要因について:
調査地である岩手県大槌湾および船越湾の海草葉上巻貝の中の優占種であるアコヤシタダミとコムラサキバイ2種に注目し、海草2種(アマモとタチアマモ)の葉上における季節変動と基質間変異を調査した。その結果、(1)巻貝両種とも海草の現存量および水温が最大になる夏に、新規加入に伴い個体数が増加し、夏から秋にかけて個体数が減少すること、(2)アコヤシタダミの密度は海草2種間で変異がないが、コムラサキバイではアマモ葉上のほうが密度が高いこと、が明らかになった。餌となる付着藻類は春から夏にかけて急減することから、餌量が巻貝の個体数の減少要因になっていることが示唆された。室内実験の結果、(3)巻貝類には餌をめぐる種内・種間競争が存在し、これが、個体数の季節変動、基室間変異に大きな影響を与えていること、(4)巻貝の海草2種に対する選好性には変異がなく、従ってコムラサキバイに見られた基質間変異は、海草の質によるものではなく、海草2種の群落間の環境要因に存在していることが示された。また、野外実験の結果、(5)巻貝の個体数変異に海草の立体構造が有意な効果を与えている証拠は得られなかった。
2.海草および付着藻類に対する藻食性巻貝の影響:
野外調査および室内実験の結果、巻貝の密度は付着藻類の量に負の効果を与えるものの、海草自身の成長、現存量の変化に対する有意な効果は検出できなかった。これらのデータを利用して求めた数理モデルは広い密度領域での3者の共存を予測した。室内実験は夏にのみ行われたため、今後は種間関係の季節的な変異を明らかにすることが必要と思われる。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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