研究課題/領域番号 |
08740615
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
廣瀬 哲郎 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30273220)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 翻訳 / 葉緑体 / RNAプロセシング / 分子生物学 |
研究概要 |
葉緑体mRNAの翻訳は、原核生物型の70Sリボソームによっておこなわれる。しかし以下の点で細菌とは異なったユニークな機構が存在することが示唆される。1.葉緑体mRNAの多くはSD様配を欠いていること。2.複雑なRNAプロセシングが翻訳効率に影響を与えている可能性。3.翻訳が光や発生のシグナルによって制御されていること。本研究はこうした葉緑体に特有の翻訳レベルでの制御の分子機構を明らかにし、これに関わっている因子を同定することを目的としている。本年度は、これまでに我々が開発した葉緑体in vitro翻訳系を用いた解析を行い、以下のような結果を得た。 1.これまでに解析を行ったpsbAmRNAに加え、SD様配列を完全に欠いているatpBmRNAを用いて翻訳開始に必要なRNA配列のより詳細な検索を行った。様々なmRNAの5'欠失、内部欠失、部位特異的な変異体、スキャニング変異体を作製しin vitro翻訳系を用いてそれらの翻訳効率を測定した。その結果、SD様配列を欠くatpBmRNAの翻訳には開始コドン上流のU-rich領域と開始コドン下流の領域が独立に必要であることが明らかになった。またUVクロスリンク法によってU-rich配列に特異的に結合する葉緑体RNA結合蛋白質の存在が明らかになった。 2.タバコ葉緑体ndhDmRNAの翻訳は、発生段階に依存したRNAエディティングとRNA切断によって複雑にコントロールされていることがこれまでの研究で明らかになっている。本年度はRNAプロセシングを受けない前駆体mRNAがなぜ翻訳されないのかについて明らかにするため、RNaseT2によるmRNAの構造解析を行い、前駆体mRNAでは開始コドン上流領域がbase-paringによる二次構造を形成することを明らかにした。 3.psbAmRNAの翻訳が反応液中のATPの濃度に依存して促進されることを見い出し、その解析のため既存のin vitro翻訳系を改良した。
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