研究課題/領域番号 |
08740640
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 正則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30257349)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Melatonin / Hydroxyindole-O-methyltransferase / Serotonin N-acetyltransferase / Silkworm / Bombyx mori / Cricket / Gryllus bimaculatus / Circadian clock |
研究概要 |
melatonin合成酵素の1つであるhydroxyindole-O-methyltransferase(HIOMT)活性の新しい測定法を確立した。この方法は組織ホモジェネートに基質であるN-acetylsero-toninとS-adenosyl-Lmethionineを加えて、反応後、生成したmelatoninをHPLCで分離,定量するものである。従来のradioenzymatic assayと比較して、この方法はHIOMT活性を特異性高く測定することを可能にした。次に、このHIOMT測定法を用いて、カイコBombix mori頭部にHIOMT活性が存在することを明らかにした。また、カイコ頭部HIOMTの基質に対するMichaelis定数はこれまでに報告されていたラット松果体や網膜の2〜3倍高いものであることが解った。さらに、カイコを12時間明期、12時間暗期下で飼育すると、頭部HIOMT活性は明期に低く、暗期に高い日周変化を示し、この変化は恒暗条件下で飼育した場合でも維持されるが、恒明条件下では消失することを見いだした。従って、カイコ頭部HIOMT活性はサーカデイアンリズムを示し、このリズムは明暗周期に同調することが主張される。私達はカイコ頭部のmelatonin含量とmelatonin合成酵素の1つであるserotonin N-acetyltransferase(NAT)がHIOMT活性と同様の変化を示すことを以前報告した。この報告を併せると、カイコ頭部におけるmelatonin合成リズムはNATとHIOMTの両者によって制御されているのではないかと推測される。 次に、コオロギGryllus bimaculatus胚にmelatoninやNAT活性が存在することを発見した。さらに、コウロギ胚のNAT活性はサーカデイアンリズムを示すことから、胚にはおおよそ24時間の周期を測る時計機構(circadian clock)が存在することが明かとなった。
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