研究課題/領域番号 |
08740658
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | スイレン科 / コウホネ / ヒツジグサ / 花形成遺伝子 / MADS-box / NJM-1 / NJM-2 / NTM-3 |
研究概要 |
スイレン科植物のコウホネ属コウホネNuphar japonicum、スイレン属ヒツジグサNymphaea tetragona、オニバス属オニバスEuryale feroxの発達過程の花芽からmRNAを抽出し、MADS-boxの保存性の高い塩基配列を基に作ったディジェネレートプライマーを用いて3'race法を行い、MADS-boxをもった花形成遺伝子のcDNAを合成、その遺伝子の3'側の塩基配列を決定した。そして判明した塩基配列をもとに新たなプライマーを設計し5'race法を行って、遺伝子の全塩基配列の決定を試みた。 本年度は、コウホネのNJM-1(1020塩基対からなり217個のアミノ酸からなる蛋白質をコードする)、NJM-2(1118塩基対からなり226個のアミノ酸からなる蛋白質をコードする)、およびヒツジグサのNTM-3(1130塩基対からなり243個のアミノ酸からなる蛋白質をコードする)の3つの遺伝子についてクローニングしmRNAの全塩基配列を決定した。これらについてそのアミノ酸配列をいままでにクローニングされた他の植物の花形成遺伝子と比較し分子系統樹を構築したところコウホネのNJM-2とヒツジグサのNTM-3はシロイヌナズナのAGに代表されるクラスCの遺伝子群に、コウホネのNJM-1はシロイヌナズナのPIに代表されるクラスBの遺伝子群に含まれることがわかった。NJM-1はクラスB遺伝子群(AP3遺伝子に代表されるもの、PI遺伝子に代表されるものの2つのサブグループにわけられる)のうちでPI遺伝子のサブグループに入り、シロイヌナズナPI、キンギョソウGLOほかペチュニア、タバコなどの双子葉植物で単離された相同遺伝子より先に分岐していることがわかった。またNJM-2とNTM-3はクラスC遺伝子群のなかで早くに枝分かれしているものの裸子植物などからとれたDAL2などの遺伝子群よりは後に分岐していた。またNJM-2とNTM-3スイレン科としてよくまとまっており機能的には相同であると推定された。 そのほかにコウホネ14遺伝子、ヒツジグサ11遺伝子、アニバス4遺伝子を単離し3'側の塩基配列を決定、5'race法を進めている。今後塩基配列の決定とともにin-situハイブリダイゼーションを行い各遺伝子の発現パターンを解析する予定である。
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