研究課題/領域番号 |
08740661
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成瀬 清 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50208089)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メダカ亜目魚類 / 光回復酵素 / 染色体融合グループ / X.saracinorum / メダカ |
研究概要 |
核遺伝子にコードされた遺伝子を用いメダカ亜目魚類の系統関係を明らかにするため、日本メダカで明らかになっている核にコードされる遺伝子から系統解析に用いることができる分子を探索した。現在までに光回復酵素、チロシナーゼ、LMP2、LMP7、補体Bf/C2等の遺伝子についてプライマーを設計し、PCR法により日本メダカゲノムDNAを鋳型として用い各遺伝子を単離することができた。特に光回復酵素遺伝子については、日本メダカ以外の種からも相同なフラグメントを得ることができたことを、PCR産物を鋳型としたダイレクトシークエンスにより確認することができた。光回復酵素は日本メダカの種内に多型を持つことが、系統の異なる2つの近交系を用いることで明らかとなった。またこの多型はイントロン領域の挿入欠失によるものであった。今後はそれぞれの種から単離した光回復酵素相同遺伝子の配列をもとに分子系統学的な解析をおこなう予定である。またチロシナーゼ等の遺伝子についても他の種のゲノムDNAを鋳型としてPCRをおこなうことで、相同領域を単離し、より多くのマーカーによる系統解析をおこないたい。 X.saracinorumの核型については胚を用いたダイレクト法により染色体標本を得ることができた。その結果、X.saracinorumは明らかに2対の大型中部動原体型染色体を持つことが明らかとなった。この特徴はスラベシ島に分布するメダカ属魚類がもつそれと共通である。メダカ属の系統関係解析で示されたように、その核型がX.saracinorumの系統関係を示すならば、X.saracinorumは染色体融合グループに属することとなる。この結果はミトコンドリアDNAの塩基配列による解析と同じである。さらに複数のマーカーをもちいて、系統解析を進める必要があるが、X.saracinorumがメダカ属の姉妹群ではない可能性はかなり高いと思われる。
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