研究課題/領域番号 |
08740672
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
野村 周平 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (80228361)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Coleoptera / Pselaphidae / Batrisinae / Batrisini / 日本 / 土壌昆虫 / 分類 / 系統進化 |
研究概要 |
ムネトゲアリヅカムシ族の系統分類学的研究を行なうにあたり、資料の十分でなかった関東山地、富士箱根、中部山岳、関西地方の諸地域にて、ハンドソーティング及びツルグレン装置によるアリヅカムシ類の採集を行なった。その結果、多数のアリヅカムシ類を採集し、分類同定、整理を行なった。 これらの調査により、本族で最も種類が多いと思われるヒゲブトムネトゲアリヅカムシ属Petaloscapusについては、わが国で40新種を含む、46種が分布していることが判明した。また、本属の数種では、アナズアリヅカムシなどフサヒゲアリヅカムシ属群(Batrisocenus Complex)に見られるような、不対称な雄交尾器の左右が逆転する二型の見られることが新たに確認された。本属は国外からはほとんど知られず、北海道と南西諸島を除く日本本土において複数の種の分布域が複雑に重なりあったいることが明らかになった。このようなことから、本属は特に西日本を中心とした著しい適応放散をとげたと考えられる。 現在、族全体にわたって、系統関係の分岐学的解析を進めており、従来、それぞれかけはなれた群であるとされてきた。Batrisoschema、Tribasodes、Coryphomodesの3つの属は互いに近縁で、1つの単系統群を形成すると考えられる。以上の解析結果は、わが国に産する各群の記載と併せて公表する予定である。日本及びその周辺に分布するムクゲアリヅカムシ属など3属14種(1新属9新種を含む)については、各属各種の記載を行ない、それとともに属間の系統関係を推定し、論文として公表済みである。
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