研究課題/領域番号 |
08750018
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
市野 邦男 鳥取大学, 工学部, 助手 (90263483)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 紫外光 / 半導体レーザ / 硫化亜鉛 / 混晶 / 分子線エピタキシ- / 硫黄分子線 / フォトルミネッセンス / 励起スペクトル |
研究概要 |
本研究においては、紫外光半導体レーザの構成材料として硫化亜鉛(ZnS)系半導体の分子線エピタキシ-成長を行うため、硫黄分子線の供給安定化がキ-ポイントである。そこで、本補肋金により、硫黄分子線セルの電源、温度コントローラ等の機材を購入し、硫黄分子線の供給安定化のための改良を行った。このように安定化した硫黄分子線を用い、ZnSおよびZnCdS、ZnMgS三元混晶の成長を行った。その結果、特にZnMgSの成長において、ZnS、Mgに加えて上記の安定化した硫黄分子線を用いることにより、得られる混晶半導体の組成の制御性が格段に向上し、基板であるCaPと格子整合する組成であるMg20%に再現性よく制御することが可能となった。また、同時に結晶品質も向上し、光学的評価に耐える品質のZnMgS、ZnCdS混晶が得られた。これらの混晶において、低温(10K)におけるフォトルミネッセンスの励起スペクトルを測定し励起子吸収のピークを観測した。そのエネルギーは、ZnS、Zn_<0.80>,Mg_<0.20>S、Zn_<0.94>Cd_<0.06>Sについてそれぞれ3.80eV、3.95eV、3.68eVとなった。ZnSについては従来の報告と一致する結果が得られ、GaPに格子整合するZn_<0.80>Mg_<0.20>SについてはZnSに対して0.15eV大きいバンドギャップを持つことが実験的に明らかになった。なお、当初計画における、格子整合による結晶の高品質化の確認、ZnCdS/ZnMgSダブルヘテロ構造の作製とキャリア・光閉じ込め構造の検証、ZnMgSのp型化と紫外光レーザ発振などには至っておらず、これらは今後の課題として引き続き研究を進める予定である。
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