研究概要 |
本研究は, 1.光物性計測のために有効な全反射減衰信号を瞬時的に観測する装置(I-ATR装置)を作成すること 2.実際にI-ATR信号観測を行い,I-ATR信号測定のみで物性解析に必要な情報を得ることが可能であることを実証する ことを目的として行った。 1.に関しては,光学系を完全に専用設計として小型化・高精度化を計り,400(mm)×400(mm)の非常に小型のI-ATRを作成することが出来た。これは現存するI-ATR信号観測装置としては世界最小のものである。これによって目的を達することが出来た。 2.に関しては,プリズム内部反射を考慮したI-ATR信号解析式の導出が行えた。これの数値解析結果から,プリズム内部反射による干渉縞の発生を観測出来れば,物性解析に必要なI-ATR信号の角度情報の規格化がI-ATR信号測定のみで実施可能であることまでは明らかに出来た。これは本研究によって初めて明らかになったことである。 しかし実際に1.の装置で観測したI-ATR信号には干渉縞の発生を明確に確認することは出来なかった。これは1.の装置の観測用光源としたHe-Neレーザのビームの広がりが1.3(mrad)程度あり平行度が低かったために,十分な干渉が起こらなかったことが原因である。
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