研究課題/領域番号 |
08750050
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 琢也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00251330)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 確率分布関数 / 密度行列 / 非古偏光 / マクイーズド光 |
研究概要 |
光は、我々が種々の情報を得る上で最も有効な手段であり、光を制御する技術の進歩は、広い範囲に影響を及ぼすことが期待される。近年、光の量子状態を制御する研究が注目されている。電磁場の密度行列の測定は、光を手段とした測定に全く新たな可能性を与える。従来の光学測定では、光を古典的に捉えているため、平均化された測定値のみを利用しており、例えば量子的ゆらぎに関する情報は全く失われていた。もし、光の密度行列を直接観測できるならば、量子力学の許す範囲で知りうるすべての情報を手にすることがきでる。 本研究では、まず、電磁場の確率分布関数を測定する設備の整備を行った。光源としては、LD励起のYAGレーザーから発生する時間幅が10nsec程度のパルス光を用いた。パルス光を減衰して、偏光ビ-スプリッターで二つに分割し、それをInGaAs-PINホトダイオードで受光し、両者の差を超低雑音のチャージセンシティブアンプで増幅した。これを、デジタルオシロスコープを使ってコンピュータに取り込み、出力電圧を横軸に頻度を縦軸にしてプロットした。出力電圧の揺らぎの大きさと入射光の強度の関係を調べると、弱い領域では、揺らぎの分散は強度に比例し、強い領域では強度の2乗に比例しており、強度が弱い場合には、真空の揺らぎに対する確率分布関数の測定が可能であることが分かった。このことは、周波数幅は最小不確定より遙かに広くても密度行列の測定が可能であることを示している。更に、トモグラフィーの手法により真空の密度行列を得ることが出来た。
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