研究課題/領域番号 |
08750060
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 博司 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20239528)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非線形光学 / 光集積回路 / 光導波路 / カスケード非線形光学効果 / 非線形屈折率 / 方向性結合器 / 光-光スイッチ |
研究概要 |
本研究では、2次の非線形光学効果に起因する実効的な非線形屈折率効果を応用した、新しい導波形光-光スイッチ・変調器の可能性を追求した。 2次の非線形光学効果を持つ媒質において、波長変換過程の位相整合条件がわずかにみたされないときには、光波に対する実効的な屈折率が光強度により変化する、すなわち非線形屈折率が生じることが、近年明らかとなった。この効果は、超高速応答性と鋭い波長選択性を示し、かつ実光吸収を伴わないという、3次の非線形性による非線形屈折率にはない特長を持っている。したがって、2次の非線形性による非線形屈折率効果を利用することで、従来の光-光スイッチ・変調器では得ることのできない新しいタイプの光デバイスを実現可能と考えられる。 デバイスの構造としては、方向性結合器を考え、理論、実験の両面から研究を進めた。 1.動作解析:2次非線形光学効果による実効的非線形屈折率効果がある場合の方向性結合器型導波路における光波伝搬特性を、結合モード解析、BPM解析を用いて解析した。導波光学系で重要となる、光波モードの界分布、位相速度による伝搬特性の変化を求め、光-光スイッチ・変調器の動作を明らかにした。 2.設計:上記の解析結果に基づき、ニオブ酸リチウムを用いた場合のデバイスの設計を行った。光-光スイッチ動作に必要な光電力は、動作波長1μm、結合長1cm、導波路断面積10μm^2の時に、5Wとなった。 3.試作・実験:設計したデバイスの試作・動作実験を行った。位相整合条件の制御には分極反転構造を用いた。微細な分極反転パターンを設計通りに作製することが難しく、光-光スイッチ実験には至らなかったが、実効的な非線形屈折率効果を確認した。以上により、本研究をさらに発展させるための基礎を固めることができた。
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