研究課題/領域番号 |
08750066
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
藤原 巧 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10278393)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ガラス材料 / 2次光非線形性 / 紫外光ポーリング |
研究概要 |
紫外光ポーリング(紫外光照射+高電場印加)によりガラス材料に誘起される2次光非線形性に関して、材料科学に基づく微視的な観点に立脚した基礎からのアプローチを研究の基本方針とし、構造または物性変化を決定する因子、光非線形性を決定する因子などについて、それらの機構解明を行った結果、多くの重要な新しい知見を得た。以下に主な研究成果を示す。 ◎ゲルマニウム添加シリカ・ガラス材料の紫外光ポーリングによって、波長変換のために求められる光非線形性が、LiNbO_3結晶でのd_<22>係数を越える大きさまで誘起されることを初めて見い出した。 ◎紫外光ポーリング電場の増大による光非線形性の増大と、ポーリングの際に生じる吸収スペクトル変化の間に強い相関が認められることを初めて見い出した。光非線形性の発現に、欠陥が大きな寄与を及ぼすことを示しており、さらに、主要な欠陥を示唆する極めて重要な最初の実験例である。 ◎紫外光ポーリングにより誘起される光非線形性と光吸収の両者の緩和過程を調べ、次に示す重要な結果を得た。 1)紫外光ポーリングにより誘起される光非線形性の緩和過程が単一指数関数型に良く合致しており、非線形性の起源が単一の起因によることを明確に示している。 2)緩和過程の温度依存性について測定を行い、光非線形性の活性化エネルギーが、光吸収から求められるGeE'と呼ばれている欠陥の活性化エネルギーと極めてよく一致することを見い出した。 これは、ガラスに誘起される2次光非線形性の発現に主要な寄与を及ぼす欠陥構造がGeE'であることを明確に示唆している。 ◎非線形性の周期構造形成のために用いる光学干渉系を設計・構築し基本測定を行った。発現する光非線形性により干渉縞のシフトが観測され動作電圧の定量的評価が可能となった。
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