研究概要 |
近年、紫外領域の波長可変レーザーは、ロシア共和国のダビンスキイ教授らによりCe:LuLiF_4(308-330nm)、Ce:LiCAF(280-310nm)が、米国からCe:LiSAF(280-310nm)報告され活気が出てきている。しかし、これらの新レーザー媒質からの直接超短パルス発生は、cw発振が難しいことから、新機構短パルス発生を実現する必要があった。95年度の奨励研究で提案した自己注入同期法による疑似モード同期法実現することにより、新紫外固体レーザーからあたかもモード同期Qスイッチパルス列のようなピコ秒パルスを得ることに成功した。(Advanced Solid State Laser ′95、CLEO ′95,Opt.Lett.,Appl.Phys.Lett.,IEEE JQEにて発表)しかしながら、現状ではパルスエネルギー、パルス幅ともに、新紫外レーザー媒質のバンド幅や大きな飽和エネルギーを十分に活用しているとは言い難しい。 さらに、96年度の奨励研究で、Nd:YAGレーザーの第4高調波で励起Ce:LiCAFレーザーモパシステムから、14mJ程度の1ナノ秒パルス(波長289nm)の直接発生を実現した。このシステムは、Q値の低い短発振器と共焦点二重光路増幅器とで構成された。短発振器から1mJ程度の1ナノ秒パルスを得て、それから増幅器にいれられた。増幅の過程で、パルス幅が変わらなかた。増幅器のプローブとポンプ間の相互遅延の最適化が重要だということもわかった。飽和増幅が確認された。これにより、全固体高出力紫外短パルスCe:LiCAFレーザーシステムが有望であることが証明された。なお、この成果はAdvanced Solid State Laser ′97に公表された。
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