研究概要 |
磁性流体と磁場を用いた新しいハードディスクのテクスチャリング法を提案し,本方法による微小表面突起の形状及び高さに及ぼす磁場方向,磁場強度及び磁性流体中の砥粒濃度の影響を明らかにし,磁性流体を用いた新しいハードディスクのテクスチャリング法開発の指針を得ることを目的とする本研究において,得られた結果を以下に示す. 1)提案された磁性流体を用いたテクスチャリング法の原理 2枚の平板間にSiO_2微小球状粒子を適当量混ぜた磁性流体を挟み,そこに垂直磁場をかけると非磁性粒子は磁場方向と反対方向に見掛け上磁化され,そのため粒子相互に磁場強度と粒子間隔に応じた斥力が作用する.その結果,非磁性粒子は平板間に等間隔に分布する.ここで,平板間に力を加える事で,粒子が平板に押し込まれ平板上に等間隔の圧痕を形成する. 2)粒子と圧痕の数密度と間隔に及ぼすコイル電流(磁場強度)の影響 コイル電流(磁場強度)の増加と伴に粒子の間隔は狭くなった.この原因は電磁石の鉄心上には水平方向の磁場勾配があるためで,磁性流体中の粒子が低磁場側に排出力を受け,磁場の比較的弱い中心付近に集まったためと考えられる.間隔のばらつきは0Aから4Aにすることで,218μmから18.4μmに著しく減少した.これらの事よりと,粒子はコイル電流(磁場強度)の増加とともに均等かつ密に並ぶことが明らかになった. 3)粒子と圧痕の数密度と間隔に及ぼす荷重の影響 荷重の増加と伴に接触面の粒子の数密度は減少するが,圧痕の数密度は増加した.また,接触面の粒子の間隔は荷重の増加と共に大きくなるのに対し,圧痕の間隔,ばらつきは小さくなった.
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