研究概要 |
金属極細線は,高精度で高品質のものが比較的安価に入手することができ,その材質は高度に管理されて安定しているとともに引き抜き成形時の加工硬化により非常に強靭である.本研究では,この金属極細線の曲げ加工による微小な構造物の成形に関する検討を目的とした. まず,採用する加工原理を選択するために,まず非接触という点で魅力的な手法としてレーザー光を熱源として利用する熱応力非接触曲げに関する試みを,市販の刻印用のレーザーを流用して検討したが十分な曲げを得るには,スポット形状やパワーの適用な制御が不可欠であり,今回の装置では十分な結果が得られないことが確認された.したがって,今回は剛体工具で逐次的に金属極細線をプレスして曲げる成形法を採用した. 金属極細線を逐次的にプレスするために圧電素子を用いた小型プレス装置を試作した.このプレスのストロークは1mm以下であるが,曲げ成形を行うのに十分な成形力を得ることができることを確認した. また,接触方式の工具と素材の干渉は微小構造物成形における大きな問題であり,これを最小限にして希望する形状を整形する工程設計および工具形状の選択が必要であることが明らかになった.
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