研究課題/領域番号 |
08750184
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
文字 秀明 筑波大学, 構造工学系, 講師 (10220112)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 混相流 / 気泡流 / 画像処理計測 / 流動特性 / 3次元計測 |
研究概要 |
本研究では、気液二相流中の気泡流動を調べるため、2カメラシステムを用いた画像処理法を開発し、気泡流動特性の3次元計測を行った。画像処理計測法は、非接触で、流れ全体に渡る情報を一度に把握でき、流動特性を調べるには有効な方法である。気泡流動を画像処理法により計測した従来の研究では、ビデオ画像上の気泡像より2次元的な情報のみを得ていたため、3次元物体である気泡の流動状態を正確に把握できなかった。そこで、本研究では気泡形状を偏平回転楕円体と仮定し、異なる2方向より同時に撮影した画像を基に、気泡の3次元流動特性を計測した。 まず、異なる2方向から撮影された2つの気泡像と3次元物体である気泡の間の関係を明らかした。画像上の気泡像は気泡を平面に投影したものなので、気泡像と気泡の間には傾きや大きさに関して関数関係が成り立つ。これを基に、2次元画像から3次元物体の形状を推定する画像処理法を開発した。次に、実験を行い、2台の高速度ビデオカメラによる垂直管内底層気泡流の撮影を行った。得られた気泡像を基に、3次元空間における気泡形状を再構成し、気泡の位置、大きさ、傾き、速度など、気泡流動に関する詳細なデータを得ることができた。主な結果は、(1)等価球直径にして3mm程度以下の小さな気泡が管壁付近に分布すること、(2)統計平均をとると管中心部では気泡は傾いていないが、管壁では傾いていること、(3)気泡は管断面内でほぼ一様に偏平に変形していることである。これらの結果は、気泡流動のメカニズムを解明し、二相流が現れる機器の性能や安全性を向上させるために役立つ。
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