研究概要 |
マイクロマシーンへの実用化に向けて,磁場,及び電場に機能性流体を反応させることにより,従来にはみられない簡易でしかも効率の高いデバイスの実現を目的として,磁性流体ダンパや電気粘性流体(ERF)のブレーキングデバイスの試作を行い,その動特性の理論的予測を行った.すなわち,これまで申請者により得られた磁場,及び電場下での機能性流体の流動特性における理論結果を適用することにより,この応用機器の動特性の理論的予測を試みた. すなわち,磁性流体に磁場を印加することにより,アクチュエータとしての働きも併せ持つ磁性流体ダンパの装置は,外部からの振動に対して制振され元の位置に保持され得る.また,この磁性流体ダンパの装置は,ERFに電場を印加することにより,回転体の運動を制御する装置であるブレーキングデバイスと同様に,小型化することにより効率が大きくなるので,マイクロマシーンに適する.これらの装置の動特性について測定を行った. また,これに対して,これらの装置について,申請者がこれまで提唱してきた準ミクロ的な構造を取り入れた理論を展開することにより,このマイクロマシーンの動特性に対して,理論的予測を行った.これらの理論結果と実験結果とを比較検討した結果,粒子が一様に分散していると仮定した場合には,定性的傾向のみ一致するが,凝集していると仮定した場合には,定量的にも一致することがわかった.また,後者の仮定を適用することにより,実験式を作成して理論的予測が可能となった.
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