研究課題/領域番号 |
08750212
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松尾 繁 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60229424)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 圧縮生 / コアンダジェット / 非定常流れ / 波形解析 / ウェーブレット変換 |
研究概要 |
今日では、コアンダ効果を利用した技術が、多くの流体制御分野に適用されている。例えば、代表的なものとして翼のフラップがある。近年では超音速コアンダジェットの偏向に及ぼす膨張波と衝撃波の効果を明らかにすることにより、ノズルで生ずるスラストベクトルを改善しようとする試みが行われている。また、先細のコニカルノズルと環状スリットからのコアンダジェットから得られるスパイラルフローにより光ファイバーを送通したり、微粉体、針状結晶の連続表面改質技術等がある。しかしながら、ノズル圧力比に対するジェットの壁面上からのはく離位置との関係やノズル出口マッハ数の影響についての詳細な研究はない。よって、コアンダジェットの特性を正確に把握することにより、より効率的な応用が可能になるものと考えられる。ところで、最近では波形解析にウェーブレット解析と呼ばれる手法が試行錯誤ながら多くの分野で適用され始めている。ウェーブレット変換は、非定常波形解析の有力な方法であると考えられる。 本研究では、超音速コアンダジェットの基本的な流れ構造に及ぼすノズル圧力比やノズル出口マッハ数の影響を、光学観察と圧力計測により実験的に明らかにした。また、非定常流れ場での圧力波形に対しウェーブレット解析を適用し、その有用性を調べた。その結果、流れの構造はノズル出口マッハ数に関わらずほぼ同様となるが、ノズル圧力比が増加する場合と減少する場合に観察される流れのはく離と再付着に関連するヒステリシスループは、出口マッハ数が大きいほど小さくなることがわかった。また、ジェットのはく離が存在する場合としない場合には、それらの周波数特性には高周波領域において違いが観察された。さらに、非定常圧力波形に連続ウェーブレット変換を適用すると、現象の階層構造や波の連続的な伝播に関する情報が得られることがわかった。
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