研究概要 |
ICPFアクチュエータは分布的な力を発生できるという特長を持つ高分子ゲル膜アクチュエータである。この特長はロボットハンドなどに応用した場合、対象物に対して超冗長なアクチュエーションを行えることを意味している。 本研究ではこのような分布型アクチュエーションにより駆動のロバスト性を確保することを目的として基礎研究を行い、次の成果が得られた. 1.分布アクチュエーションを可能とするアクチュエータ機構の開発研究 (1)ICPFの製造加工法の確立.Nafion膜の表面処理、Pt膜形成の安定化、給電方法の最適化、高精度切断技術について実験を繰り返し,改善を見た. (2)分布変位が得られ、分布力を有効に発生・伝達できる機構の試作.繊毛型機構と面型機構について試作を繰り返し,分布力の発生が可能な機構を開発した. (3)試作機構のモデリング.計算機上で運動・力発生のシミュレーションが可能なモデルを開発した. (4)アクチュエータパラメータの同定.実験により同定した. (5)分布変位の計測.変位を計測し,試作機構の評価を行った. 2.超冗長駆動制御法 冗長駆動法に関する理論的な検討を行った.機構の試作に時間を要したため,実験による評価が残されているが,今後研究を進める予定である.
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