研究概要 |
林業,建設業などの分野では,未知の不整地を移動できるベースマシンの開発が急がれている.本研究では,林地などの未知の不整地を対象とし,脚と車輪を独立に配置し,両機構の利点を生かした4脚2車輪の脚車輪型移動ロボットを利用する. これまでに,通常の脚車輪型移動ロボット移動として車輪のパッシブサスペンションと脚先に一定のコンプライアンスをもたせ,未知の不整地の凹凸を吸収し移動することを実現した. しかし,この方法では脚車輪型移動ロボットの脚先軌道があらかじめ与えられていることと,脚先のコンプライアンスを一定としているため,凹凸の大きな障害物の移動は不可能であった.そこで,非常モードとして大きな段差や溝に遭遇したときの移動方法の確立が必要になる. 本研究では,進行中に大きな障害物に遭遇したとき,操縦者が簡単な指令(行動のヒント)を与えるだけで,脚車輪型移動ロボット自身が移動の計画をたてる方法を考える.この方法の第1段階として,脚車輪型移動ロボットが大きな凹凸の障害物に遭遇したとき,操縦者が1脚のみの行動を支持する方法を確立する.この指示には,3自由度のジョイスティックを用いる.1脚の軌跡を指示することにより,脚車輪型移動ロボットは前方の障害物の形状を把握することができる.この情報を基に,脚車輪型移動ロボットは,自ら脚の軌道,脚関節のコンプライアンス,胴体の姿勢角度を計画するアルゴリズムを構築する. 以上のような脚車輪型移動ロボットの対地適応自己計画システムを開発した.これを用いて,脚車輪型移動ロボットを用いた実験を行い,大きな段差の移動が行えることを示した.
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