研究課題/領域番号 |
08750296
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
馬 書根 茨城大学, 工学部, 助教授 (20250988)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ロボット / 超冗長自由度 / オンライン実時間制御 / TCP / IP通信方式 / 分散制御方式 / 遠隔操作 / 計画計算系 / サーボ制御系 |
研究概要 |
象の鼻のような多数の自由度を有する多関節ロボットは、アーム全体の姿勢も制御できるため障害物を回避しやすく、アーム全体としての運動性能を改善しやすいなどの特異な機能性を持っている。申請者はこれまでこのような超多自由度ロボットアームを実現するため、'ワイヤ干渉駆動機構'を提案し、その有効性を計算機シミュレーション及び10自由度ワイヤ干渉駆動型ロボットの機械モデルより確認してきた。なおワイヤ干渉駆動型多関節ロボットアームの制御法についても検討を行い、超多自由度を有する象の鼻型ロボットを実時間制御することは困難であることを判明した。そこで、ここでは以下に示す研究を行なった。 ・象の鼻型ロボットの実時間制御システムの構築:ロボットを実際に使用する場合に、オンライン実時間制御を行わなければならない。そこで、計画計算系とサーボ制御系を別個の計算機により構築し、TCP/IP通信方式で計算機間の通信を行う分散制御方式を提案した。そのため、実時間制御にボトルネックとなっていた計画計算がサーボ制御系から取り除けて、象の鼻型ロボットの実時間制御が可能になり、その遠隔操作も可能になった。 ・構築された制御システムによる象の鼻型ロボットの実時間制御:実機実験を行い、構築された制御システムの適用可能性を検証した。その結果、計画計算をサーボ制御系から取り除き実時間制御にボトルネックとなっていた計画計算の問題を解決したものの、サーボ制御系と象の鼻型ロボット機械モデル間のデータやり取りも多くの時間を要し象の鼻型ロボットをゆっくり動かす場合のみ実時間制御が可能であったことを明らかにした。 象の鼻型多関節ロボットアームは多数の自由度を持っているため、サーボ制御系と機械モデル間のデータのやり取りが多くの時間を必要とし、本研究で構成した制御システムは象の鼻型ロボットをゆっくり動かす場合のみ有効である。本研究を通じて、象の鼻型多関節ロボットの実時間制御を困難にした要因としては、計画計算の問題のみでなく、サーボ制御系にも問題があることを判明した。今後サーボ制御系を改良していき、象の鼻型ロボットを高速に動かすときも実時間制御が可能となるサーボ制御系を検討していく。
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