研究概要 |
歪みゲージなどの力センサーでICPFアクチュエータの力特性を直接的に計測することが困難であるため,当該研究者はガラスピンと電子天秤を利用して,ICPFアクチュエータが電圧駆動する時の力特性を間接的に測定した.その実験結果に基づき,パラメータを同定して,間接的に力特性を評価する計算方法を提案した.そして,絶縁膜で覆いと駆動電圧のPWM制御を行うことにより,漏れ電流は30mA以下におさめられた.また,レーザ式変位センサを利用して,湾曲変位-駆動電圧の特性を測定した結果を基に,アクチュエータのサイズを考慮した,物理モデルのパラメータ同定を行った.そして,ICPF湾曲特性の円弧モデルに基づき,2箇所の変位測定値(レーザ式変位センサ)を用いてカテーテルを操作する時にガイドワイヤ先端中心の位置と湾曲角度を計算した.これを基に遠隔操作によりカテーテル先端中心の位置と姿勢のシフト制御を行った.さらに,提案する能動ガイドワイヤカテーテルの血管分岐点や動脈瘤での動作を確かめるために,ガラス管の血管シミュレータ(各分岐点,動脈瘤など付き)を用いて,シミュレーション挿入実験("In Vitro")を行った実験犬を対象として,動物実験("In Vivo")を行って生体中での操作性を評価した.実験結果により,カテーテルが血管の分岐点や動脈瘤で進路を自由に選択でき,従来のカテーテルに比べ,操作性が向上したことがわかった.今後の課題としては能動カテーテルの高度機能化(自律走行メカニズムとセンサーの開発),超小型化と操作性の改善等である.
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