研究概要 |
1.IIIVダブルヘテロ構造サンプルの作製 MBE装置で,InGaAsInGaAlAsからなるダブルヘテロ構造サンプルの作製を行なった。活性層は,最近レーザや光増幅器などで利用度の高い歪み格子多重量子井戸構造(MQW)とした。周期は主に100周期とし,吸収端波長を1.55μm帯とした。 2.キャリヤ注入方式の検討 MQWの各井戸にキャリヤをより均等に注入するには光励起が有効であり,本研究でも光励起方式を採用した。これによって,サンプルにp,n層を形成するプロセスを省略でき,多周期MQWの再現性を向上させることができた。 3.ゲインの評価 まず,ゲインの評価を行なった。シングルパスの構造では最大で3.1dBのゲインが得られ,光増幅器としての応用が可能となった。MQW活性層をInGaAlAs/InAlAsの多層膜からなるDBRミラーではさむことによりさらに高いゲインを得ることができる。本研究では,ミラー付きのサンプルを歪み緩和を起こさずに実際に作製できることを確認した。 4.複素屈折率の高精度測定法の確立 2つの方解石板を使って空間的に構成したマイクロブリッジにおいて,ダブルヘテロ構造を持つサンプルの膜面に垂直な方向に光を通す方式で屈折率変化量を高精度に測定するシステムを構成した。この方式では,これまで測定が困難であった,バンド間吸収の大きい波長帯においても複素屈折率変化を高精度に測定が可能である。
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