研究課題/領域番号 |
08750349
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山口 博之 群馬大学, 工学部, 助手 (80261866)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | CuO / FZ法 / 光伝導 / ホール効果 / 磁気抵抗 / 移動度 / バンド的伝導 / 超伝導オプトエレクトロニクス素子 |
研究概要 |
(A)CuO結晶の精製化:イメージ炉を用いて、酸素圧P_<02>=2atmで溶融帯移動を行う。現時点では、まだ大型単結晶を得るには至っていないが、多結晶ながらも良質の結晶(T=4.2Kでの移動度μ〜1×10^4cm^2/Vs)を育成。SEMによる表面観察から、グレインサイズは約0.5〜0.8mm程度。XRD解析(40kV/30mA)からは、CuO以外の不純物ピーク(Cu,Cu_2O)は観測されず。顕微ラマン分光より、T≦230KのAF相においてspin-phonon相互作用によるラマンピークの成長を観察。SQUIDにより、Neel温度のT_<N1>=230Kおよびincommensurate-comensurate相転移温度のT_<N2>=213Kにおいて磁化率の異常を観測。なお、欠陥濃度評価のための発光測定では、現在まで有意の信号を観測できず。四端子法から、室温での抵抗率ρ〜5×10^4Ωcm、室温以下での活性化エネルギーΔ〜0.46-0.71eV。(B)CuO結晶における光担体による電荷輸送現象の測定:ブロッキング電極を用いたくり返しパルス法により光伝導を測定。励起光エネルギー【planck's constant】≧2.1eVの場合、T=100K以下4.2まで光伝導が増大する特異な電気伝導性を観測。【planck's constant】≦1.5eVの場合も、T=75K付近での極小を伴うものの同様な傾向。ただし、【planck's constant】〜2.0eVの場合のみ、T=100K以下4.2Kまで光伝導が減少する一般的な振る舞い。一方、T=4.2Kにおける光伝導(【planck's constant】〜1.5eV)の磁気抵抗、ホール効果より、伝導光担体は正孔、μ〜1×10^4cm^2/Vs。この値はKoffybergらの報告するhopping conductionによるもの(μ〜1×10^<-1>cm^2/Vs at T=300K;m^*=7.9m_0)とは異なり、CuOにおける広い伝導バンドの存在を示唆。試行段階ではあるが、T=4.2Kでのサイクロトロン共鳴吸収も、バンド的伝導を支持。低温で増大するホール移動度を観測できたこともこれに合致。(C)Masumiの提案する超伝導オプトエレクトロニクス素子への応用:ゲート材料としては、少なくとも現時点ではCu_2Oを上回る特性は得られていないが、結晶性、接合面の作成方法などの改善を試行中。
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