研究課題/領域番号 |
08750350
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
柿崎 浩一 埼玉大学, 工学部, 助手 (70261881)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 針状微粒子 / バリウムフェライト / 磁気記録媒体 / 六方晶 / 結晶構造 / 高分解能透過電子顕微鏡 / 電子線回折 / 微細構造 |
研究概要 |
可換型の塗布型高密度磁気記録媒体として、従来の塗布型媒体と同様の針状形状を有するバリウムフェライト微粒子を簡便な電気炉焼成法により作製した。この針状バリウムフェライト微粒子を用いた塗布型磁気記録媒体をさらに高密度記録領域で使用できるようにするためには針状微粒子自体の微細構造を知ることによりその磁気構造を明らかにすることが必要である。そこで、本研究課題においては、バリウムフェライト中のFe^<3+>イオンをCo^<2+>イオンおよびTi^<4+>イオンで置換した試料、すなわち、BaCo_xTi_xFe_<12・2x>O_<19>組成において置換量X=0および0.7の針状バリウムフェライト微粒子を作製し、その微細構造を高分解能透過型電子顕微鏡を用いて詳細に調べた。その結果、以下のような知見が得られた。 作製した針状BaCo_xTi_xFe_<12・2x>O_<19>微粒子は、長軸約0.9μm、短軸約0.08μm、針状比(長軸/短軸)約11の針状微粒子であった。また、これらの針状微粒子は置換量Xによらずその結晶構造は六方晶マグネトプラムバイト構造であった。針状微粒子は数個(5〜8個)の六方晶系の結晶子で構成され、その長軸方向がa軸方向、短軸方向がc軸方向であることが電子線回折の分析結果より確認された。また、透過電子顕微鏡の暗視野像にはっきりと明暗の部分が確認されたことから、X=0および0.7の試料はともに、針状微粒子を構成する結晶子のa面同士が傾きをもって長軸方向に配列していると考えられる。X=0.7の試料ではその角度は約60°であることか制限視野電子線回折の結果より明らかとなった。また、X=0.7の試料において、針状微粒子を構成する結晶子と結晶子の間に数nmの結晶格子の不連続な層が観察された。この針状微粒子を構成する結晶子一つ一つを磁気的に分離させること、すなわちそれぞれの結晶子一つ一つを1ビットの信号に対応させられるようにすれば、さらに高密度な記録が可能になるものと考えられる。
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