デューティ比50%変調周波数50Hz、500Hzおよび5kHz、変調周波数5kHzデューティ比25%、50%および75%の条件下で膜作製を行い、変調放電の膜特性に及ぼす効果を調べた。他の膜作製条件は、シラン、メタンおよびヘリウムガス流量はそれぞれ2.5SCCM、2.5SCCMおよび45SCCM、ガス圧は300mTorr、rfパワーは40W、基板温度は250℃である。以下に研究結果を示す。 1.デューティ比50%において変調放電を行うと堆積速度および光学バンドギャップは、連続放電に比べて低下した。しかし、変調周波数には依存しなかった。一方、変調周波数5kHzにおいてデューティ比が増加すると堆積速度および光学バンドギャップは増加した。ただし、デューティ比75%における堆積速度光学バンドギャップは連続放電のものと同じになった。 2.シリコン原子と結合している膜中水素量は変調放電を行っても変化がなかった。一方、炭素原子と結合している膜中水素量は変調放電を行うことにより低下した。また、膜素原子と結合している膜中水素量は変調周波数に依存せず、またデューティ比が小さくなるに伴い低下した。 3.光伝導度は、変調放電を行うことにより改善された。デューティ比50%において変調周波数50および500Hzによる膜の光伝導度はほぼ同じ値を示したが、5kHzの膜の光伝導度は低下した。また、デューティ比が小さいほど光伝導度が大きい。この結果を1サイクル当たりのオフ時間で見ると、光伝導度はオフ時間が短くなるに伴い、0.15ms以上のオフ時間では僅かに増加しているが、0.15ms以下のオフ時間では急激に減少した。このことから、光伝導度が高い膜を作製するためには、サブmsのオフ時間が最適であることが分かった。
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