研究課題/領域番号 |
08750369
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 淳一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90273606)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | コヒーレント・プッシュプルパルス / コヒーレント励起 / 低次元電子系 / 量子井戸 / 非共鳴励起 / 超高速 / チタン:サファイアレーザ / 光光スイッチ |
研究概要 |
本研究の結果、次のことが明らかになった。 (1)理論研究の結果 低次元電子系の光パルス応答のモデルとして、現実の半導体量子井戸、量子ドットなどの電子準位配置に近い3準位電子系を仮定してその光パルスに対する応答を計算した。ここでは光パルスとして共鳴励起の高感度と非共鳴励起の高速性を兼ね備えたコヒーレント・プッシュプル(CPP)パルスを考えている。3準位電子系にCPPパルスを入力したとき各量子準位の電子の存在確率の時間変化を数値計算によって求めた。解析においては、3準位電子系では2準位系において通常用いられる回転波近似が適用できないので、量子Liouville方程式を回転波近似を用いずに数値的に解いて、厳密な計算を行っている。その結果、3準位の配置によってはCPPパルスの時間遅延を変化させることで、共鳴・非共鳴励起を選択することが可能であることがわかった。これは非共鳴励の場合、物質の緩和時間によらず励起を消失させることができることを意味する。このことから3準位電子系を、CPPパルスによって超高速制御することが可能であることがわかった。今後はこのモデルの超高速光光スイッチへの応用について解析してゆく予定である。 (2)実験研究の結果 実験についてはCPPパルス発生のためのチタン:サファイアレーザーの立ち上げを行った。パルス幅40フェムト秒のパルスの発生を相関波形の観測から確認した。現在このフェムト秒パルスをCPPパルスに変換する実験を進めている。今年度は予算の都合上、低温測定用クライオスタットを購入することはできなかったが、低温での測定系の構築は今後の課題である。
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