研究課題/領域番号 |
08750392
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山口 留美子 秋田大学, 鉱山学部, 教務職員 (30170799)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 液晶 / 配向膜 / ラビングレス配向 / 紫外線硬化樹脂 / 方位角アンカリング / AFM |
研究概要 |
本研究は、紫外線硬化型樹脂を用いたノンラビング液晶配向膜を作製方法の確立、および配向膜の諸特性を明らかにすることを目的とし、下記の研究を行った。 1.配向膜の作製 本研究のノンラビング配向膜は、紫外線硬化型樹脂表面へ延伸高分子フィルムが有する液晶配向機能を転写することにより作製される。ポリエチレンテレフタレート(PET)製高分子フィルムとガラス基板との間に紫外線硬化型のモノマー液体(ヒドロキシエチルメタクリレート:HEMA)を挟み込み紫外線を照射する。硬化後PETフィルムを剥離し、紫外線硬化型樹脂膜上に液晶を滴下して配向状態を確認した。液晶は作製時のPETフィルムの延伸方向に平行に配向すること、PETフィルムの剥離方向にはに依存しないこと、プレチルト角は発現していないことがわかった。さらに、ラビング処理を施したPETフィルムを用いて配向膜を作製した場合は、液晶は作製時のPETフィルムのラビング方向と平行であった。 2.配向膜の異方性評価 幾何学的異方性をAFMで観察した結果、延伸PETフィルムおよびこれを用いた配向膜では、同一の表面形状が得られかつ等方的であったが、ラビングPETフィルムおよびこれを用いた配向膜の表面には、マイクログルーブと呼ばれるラビング方向に平行な溝構造が観察された。両配向膜に生じたリタデーションは約1nmであり、HEMA分子に配列異方性が生じていることが明らかとなった。 3.液晶配向の均一性の評価 二色性色素を混合したネマティック液晶を挟み込み液晶分子の配向均一性を評価した結果、延伸PETを用いた紫外線硬化型樹脂薄膜は、液晶封入時の流動方向の影響を受けることがわかった。ラビングPETフィルムを使用した場合には見られなかったことから、両配向膜に方位角方向の配向規制力の違いが生じていること、この原因として表面形状の異方性の有無が関係していることが考えられる。
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