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一次元エルゴード写像から生成されるカオスの高次統計量の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08750446
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 情報通信工学
研究機関九州大学

研究代表者

常田 明夫  九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (40274493)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード非線形写像 / カオス / 相関関数 / PF作用素 / 不変密度 / 高次統計量
研究概要

最近,擬似乱数生成器としてカオスを利用しようという試みが行われているが,この際,カオスが従来の擬似乱数と比較して,乱雑さに関する性質の良い乱数であるか否かが問題である.カオスは,確定系で観測される不規則現象の総称で,最も単純な確定系である一次元差分方程式x_<n+1>=γ(x_n),(n=0,1,2,・・・)でも観測される.但し,γは区間からその区間への写像である.ある系列が良い乱数か否かの判断は非常に難しく,また使用目的によっても当然その基準が変わるが、良い乱数として,“自己相関関数がデルタ関数,すなわちパワースペクトルが一定である(白色雑音である)"という条件がしばしば課せられる.この条件を満たしているカオス解を生成し得るテント写像やロジスティック写像,およびチェビシェフ写像等は,擬似乱数生成器として利用できる可能性があるが,そのようなカオス解が本当に良質な乱数であるか否かが議論されなければならない.通常,情報理論等で仮定される,理想的な乱数系列とは,“i.i.d."と呼ばれる“独立"な系列である.決定論的アルゴリズムから独立な系列を得ることは困難であり,一般には,ある種の相関が残ることになる.また,自己相関関数がデルタ関数であることは,独立な系列であるための必要条件に過ぎず,必ずしも独立性を保証するものではない.独立な系列ならば,これをある実数値関数で非線形変換した後の系列もデルタ関数的な自己相関関数をもつ.本研究では,まず,元の系列{x_n}^^∞=0を2乗した系列{x^2_n}^∞_n=0の自己相関関数がデルタ関数であるか否かを調べることで、独立性の一つの必要条件を満たすかどうかを検定し,さらに,これを拡張して,N乗した系列{x^N_n}^∞_n=0の自己相関関数を評価した.その結果,3次以上のチェビシェフ写像から生成されるカオスの実数値系列が任意のNに対してデルタ関数的な自己相関関数を有することが明らかになった.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Kohda,K.Ishii,A.Tsuneda: "Image Transmission Systems through CDMA Channels Using Spreading Sequences of Variable-Period" Proc.of IEEE ISSSTA'96. 781-784 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kohda,A.Tsuneda,A.J.Lawrance: "Correlated Behaviour of Logistic Chaotic Sequences" 1996年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演論文集23GE02:1996. 150-150

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 香田徹,石井活士,常田明夫: "可変長の拡散符号を用いた非同期DS/CDMAチャネルによる画像伝送" 画像符号化シンポジウム(PCSJ96)第11回シンポジウム資料. 109-110 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 香田徹,常田明夫,A.J.Lawrance: "チェビシェフ系列の独立性について" 平成8年度電気関係学会九州支部連合大会講演論文集. 126-126 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 香田徹,常田明夫: "カオス2値系列のスペクトル拡散通信への応用" 電子情報通信学会技術研究報告(第1回ユニバーサル・パーソナル通信基礎研究会). 110-116 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 香田徹,常田明夫: "I.I.D.カオス2値系列による偶・奇相関値の分布について" 電子情報通信学会技術研究報告. SST96-64. 31-34 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kohda,A.Tsuneda: "Statistics of Chaotic Binary Sequences," IEEE Trans.Information Theory (to be published). 43-1. (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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