研究概要 |
1.一次元構造体中を伝搬する振動インテンシティに着目した固体音制御について,数式処理システムを利用して解析を行った.その結果単に一点における振幅制御では,伝搬エネルギーを最小にすることはできないことを明らかにした.また,インテンシティを制御する場合,制御点を半波長以上はなさなくては最小値をゼロにできないこと,その理由は,境界付近の減衰波の影響であることを明らかにした.また,半波長以上離れた場合には,一点制御とインテンシティ制御は,等価であることを明らかにした. 2.減衰波の影響が無視できない場合について,インテンシティを制御するための適応ディジタルフィルタを用いた振動インテンシティの制御方法について検討した.その結果,インテンシティを4つのセンサを用いて差分法によって周波数軸上で計算し,その値を誤差信号として適応ディジタルフィルタに入力すればよいことを明らかにした.周波数軸上での計算には,周波数軸上ブロックアルゴリズムを導入し,計算上折り畳み歪みが起こらないよう工夫を施した方法を提案した. 3.減衰波が無視できる振動場を仮定したインテンシティ制御の実験を行った.DSPボードをパーソナルコンピュータに組み込み適応フィルタによる制御プログラムを開発した.そこへ,一次元構造体による実験系を構築し,一点制御,インテンシティ制御の2つの方法を実現した.その結果,高周波数においてインテンシティ制御が有効に動作することが分かった.
|