研究概要 |
従来用いられてきた環境表現は,環境を計測することにより,幾何情報を獲得する方法が用いられてきた.しかし,構造化されていない環境では,そのような幾何情報で環境を表現するのは難しい. 本手法は,環境中の特徴やロボットの運動を利用し,環境構造の計測等を行わない.そのため,構造が複雑な場合において特に有効な方法である.更に,本手法は動的な環境に対しても,適用可能である.環境内で移動する物体が存在する場合,運動する物体を検出し,その運動を評価することで,環境内にどの程度移動する物体が存在するのか検出できる.我々は,環境には,その環境を特徴づける特徴(エッジ,色等)のパターンが存在すると考える.この特徴のパターンを検出し,環境モデルとして用いる手法を提案した. このようなシステムを構築するためには,ロボットは,環境内の特徴を抽出しなければならない.従来の手法では,環境構造に依存した行動計画を立てていたが,構造化されていない環境では,この手法を用いることができない.そこで,本研究では,ロボットの運動モデルとしてランダムウォークを用いた. ロボットがランブムウォークをしている間に,検出される特徴を記憶していき,その記憶された特徴を移動平均と移動平均の分散を計算する.環境内に均一に分布する特徴では,移動平均の分散が小さくなる.そこで,移動平均の分散が小さい特徴を検出し,その特徴を環境モデルとして用いる. 本手法を用いて,コンピュータでシミュレーションを行った.その結果,構造化されていない環境においても,環境モデルが作成可能であることを示した.
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