本研究では、デイジタルカメラおよびその画像処理ボードを用いて、地上付近を落下中の降雪粒子の粒径および落下速度を測定するシステムを開発し、冬季期間連続して1分毎に自動観測を行った。同時に気象7要素も連続して測定し、ハ-ソナルコンピュータに接続された光磁気ディスクに連続的に保存した。更に、電子天秤による降雪強度測定を1分毎に行い、これらを統合し、画像処理データから降雪粒子の体積、降雪強度より粒子の重量を求めることにより、降雪粒子の密度を測定するシステムを開発した。この密度を利用することにより、画像データのみから降雪強度を算出することが可能となり、従来の電子天秤による測定法と比較して90パーセントの一致が得られた。 次に、気象要素と降雪粒子密度の相関解析をワークステーション上で行い、地上付近の気温および輪島の高層の気温データおよび気象衛星「ひまわり」の雲画像が降雪の有無を決める因子となり、地上付近の各気象7要素と降雪粒子の空間数密度、落下速度、密度の各データが降雪内容と密接に関係していることがわかった。従って、これらを予測因子として、ニューラルネットワークを用いた降雪強度予測システムを開発することが可能であることが示唆された。 本システム構築し、気象レーダと併用することにより、グローバルおよびローカルな降雪予測が可能となり、除雪時の重機配備等に役立つことが期待される。また、気象レーダとの対比により雪雲内の降雪粒子生成のメカニズム解明に役立つと思われる。
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