研究課題/領域番号 |
08750612
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北 勝利 京都大学, 防災研究所, 助手 (60234225)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海底土 / 波浪 / 繰り返し荷重 / 塑性 / 間隙圧 / 液状化 / 遠心力載荷実験 / 主応力軸方向の回転 |
研究概要 |
波浪に対する海底地盤の応答は、海洋構造物や海底ケーブル等の力学的安定性を検討する際に重要となるだけではなく、海岸保全や水際空間の防災の観点からも重要である。波浪負荷が厳しい場合には、海底地盤に液状化が生じる可能性があるが、その発生機構については不明な点が多い。進行波の伝播に伴い海底地盤内には各応力成分の変化とともに主応力軸方向の回転が生じ、土の繰り返し塑性に基づくコントラクタンシー性状が助長される。即ち同じ水圧変動の場合でも、進行波は重複波に比べ海底地盤中の土要素に対して厳しい波浪条件となりうる。以上の観点より、本研究では、新しく開発した遠心力場波浪実験装置を用いて、ゆる詰め細砂地盤を対象とした進行波及び重複波載荷実験を実施し、これらの波浪条件下における地盤内間隙圧応答性状を比較検討した。実験では動的遠心力載荷実験における変形現象と圧密現象に関する時間相似率を整合させるために、間隙流体として高粘性のシリコンオイルを採用している。本研究で得られた知見をまとめると以下の通りである。 1)進行波負荷の場合には、地盤内に誘起される繰り返しせん断応力比が0.14を超えると液状化が生じたのに対し、重複波負荷の場合にはその限界値は0.20とかなり大きい。 2)液状化は全層一度に発生するのではなく、地盤浅部に発生した液状化が地盤深部に向かって進展する進行性液状化である。 3)進行波負荷の場合には、液状化フロントは最終的に地盤底部まで到達し全層液状化を引き起こした。これに対し重複波負荷の場合には、液状化の比較的浅部にとどまった。
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