研究課題/領域番号 |
08750615
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
塚本 良道 東京理科大学, 理工学部, 助手 (50253505)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 飽和砂 / 非排水せん断 / 主応力方向 / 異方性 |
研究概要 |
地震波などの撹乱を受ける土の変形・強度を考える際、土の挙動が破壊域近傍に到っているか否かがひとつの重要な要素となる。とくに、飽和砂の液状化という、構造物に甚大な被害を及ぼす流動化現象を対象としたときはなおさらである。 本研究では、従来土質力学実験では達成しえなかった主応力方向の回転が可能である中空ねじりせん断試験装置を使用し、飽和砂の非排水せん断挙動を調べている。まず、密な飽和砂に対して、主応力方向をさまざまに変えた単調載荷試験を行った。実験結果は、載荷初期正の過剰間隙水圧を発生しながら一般に知られている変相線に到り、その後膨張的な挙動へと転じ、つまり過剰間隙水圧の発生は減少し負の間隙水圧が発生し破壊線に到るという挙動を示した。本単調載荷実験により、これら変相線・破壊線が主応力方向角の影響を受けていることが示された。これは、とりもなおさず飽和砂の初期の堆積構造に起因する構造(初期)異方性の影響によるものであることが、実験結果からの定量的な解釈により明らかにすることができた。また、同様な試験をゆるい砂についても行った結果、同様な結果が得られた。 そこで、これら破壊域近傍における変相線・破壊線が、さまざまな応力履歴を受けた地盤において変化するか否かを調べた。これは、とりもなおさず、誘導異方性の影響を調べることを意味している。実際には等方圧密された密な飽和砂供試体に、初期せん断・排水せん断応力履歴・非排水せん断応力反転などのさまざまな初期撹乱を与えられた状態から、非排水せん断を行い、その変相線・破壊線への影響を調べている。結果としては、単調載荷試験から得られた変相線・破壊線は変化せず一定で、影響を受けるのは変相線に到るまでの過剰間隙水圧の発生の仕方であり、これから変相状態での間隙水圧量も影響を受けていることがわかった。
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