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好気性生物膜内における硫黄(S)のサイクルに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08750661
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 土木環境システム
研究機関北海道大学

研究代表者

岡部 聡  北海道大学, 工学部, 助手 (10253816)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード生物膜 / 硫酸塩還元 / 硫黄脱窒 / 硫化化合物
研究概要

本研究では、反応槽におけるSの物質収支によってのみでは解明できない生物膜内の硫黄(S)の循環を明らかにするために、生物膜内の硫酸塩還元活性、硫黄酸化活性及び代謝産物である硫化化合物の濃度分布を測定した。研究の結果、以下のような知見を得た。
(1)硫酸塩還元細菌及び硫黄酸化細菌の細菌密度分布と存在的な活性度分布
硫酸塩還元細菌(SRB)は好気性生物膜表面部に最も多く存在し(5×10^5 MPN/cm^3程度)、膜深さ方向に減少した。硫黄酸化細菌も生物膜全体に一様に分布していた。硫酸塩還元活性は表層部ではほとんど検出されなかったが、表層部から徐々に増加し中層部(膜表面から300μm程度)で最大値(30μm/cm^3/h)を示した。膜表面でSRB菌体密度が高いにもかかわらず活性が低い原因は、表層部では溶存酸素(DO)濃度が高くSRB活性が抑制されているためと考えられる。膜深部でSRB活性は有機物律速のため再び低い値を示した。一方、硫黄脱窒細菌(SDB)活性は膜全体で一様に認められたが深部で最も高い値を示した。膜深部ではDO濃度が低くNO_3,H_2S濃度が比較的高く、SDBの増殖に有利であったと考えられる。
(2)生物膜内の硫化化合物(S^0,FeS及びFeS_2)の濃度分布の測定
生物膜厚が一定となった実験開始から30日目の生物膜内の硫化化合物(S^0,FeS及びFeS_2)の濃度分布を測定した。S^0はFeS及びFeS_2に比較して、膜全体に30μmol-S/cm^3程度蓄積していた。これは硫酸塩還元活性により生成されたH_2Sの生物化学的酸化に起因するものと思われる。FeSはSRB活性の高かった膜表面から250μm付近で著しいピークを示し、表層部及び深層部では検出されなかった。
以上の結果をまとめると、好気性生物膜内にも絶対嫌気性細菌であるSRBが存在すること、また測定された硫化化合物の濃度分布とSRB及びSDBの活性度分布との間には良い相関関係が見られたことから500μm程度の好気性生物膜内にの硫黄循環が存在することが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐藤 久他: "好気性処理における生物膜の構造の微生物活性度に及ぼす影響" 土木学会代51回年次学術講演会講演概要集第7部. 102-103 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 佐藤 久,他: "微小電極を用いた微好気条件下での硫化水素の挙動に関する研究" 第31回日本水環境学会年会講演集. 発行予定(平成9年3月).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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