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遊離脂肪酸濃度をコントロールした低pH域でのメタン発酵による固形物含有廃水の処理

研究課題

研究課題/領域番号 08750665
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 土木環境システム
研究機関信州大学

研究代表者

松本 明人  信州大学, 工学部, 助手 (30252068)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード可溶性でんぷん / 遊離脂肪酸 / pH / 完全混合型リアクター / 蛍光 / 加水分解 / 酸生成 / メタン生成
研究概要

実験は1.0lの完全混合型リアクターを用い、温度35゚C、HRT8日の下でおこなった。基質には可溶性でんぷんを用い、基質のCOD濃度は12000mg/l(流入COD負荷は1.5kg/m^3・d)とした。そしてpH6.6から7.5の範囲でpH変動試験をおこなった。
実験の結果、pH7.1から7.5でのCOD除去率は57〜73%、pH7.0から7.1でのCOD除去率は52〜66%、pH6.9以下でのCOD除去率は43〜47%で、pHが6.9を切るとCOD除去率が一段階低下することがわかった。一方、菌体の活性をあらわす比基質消費速度を見ると、pH依存性は見られず、1.1〜3.6mgCOD/mgVSS・dであった。この値は通常のメタン発酵で得られる値であり、メタン生成が阻害されていないことがわかる。反応槽内の脂肪酸組成について述べる。酢酸濃度はpHに関わらず47〜73mg/lであった。プロピオン酸濃度はpHにより変化し、pHが7.0以下ではおよそ200mg/lであったのに対し、pH7.0以上になるとばらつきはあるが増大し、最大690mg/lに達した。ところで脂肪酸は遊離するとメタン生成を阻害することがわかっている。そこで実験期間中の全遊離脂肪酸濃度を計算したところ最大5mg/lであった。この値はメタン生成の阻害濃度10mg/lに達しておらず、これからもメタン生成は阻害されていないことがわかった。
また蛍光顕微鏡装置を用い、メタン生成菌を観察したところ、UおよびBV励起下で青(U励起)および緑(BV励起)の蛍光を発した。蛍光顕微鏡の使用により、メタン生成菌の迅速かつ選択的な観察が可能になった。さらに通常の顕微鏡観察により、運動性の微生物が多く観察された。
今回の実験では、メタン生成反応が阻害されていないのに関わらず、COD除去率が非常に低かった。でんぷんの嫌気性処理ではでんぷんの加水分解・酸生成を促進することが重要である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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