研究課題/領域番号 |
08750690
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥田 泰雄 京都大学, 防災研究所, 助手 (70201994)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 円錐状渦 / 角柱模型 / 風洞実験 / 一様乱流 / 可視化 / 風圧力分布 / 自然風 |
研究概要 |
境界層風洞実験において、乱流格子の組み合わせにより乱れの大きい一様乱流や鉛直方向に逆勾配の流速分布をもつ逆勾配流(地表面付近が速く上層部が遅い流れ)を作り出した。その中に高さ20cm幅5cmの正方形断面角柱模型を置き、接近流に正対した角柱側面上の流れを四塩化チタンで可視化した。その結果、逆勾配流中では上向きの円錐状渦、一様乱流中では上下両方向の円錐状渦がランダムに形成されることがわかった。このことより角柱側面上に形成される円錐状渦の向きは、角柱模型と床面との境界によるものではなく、接近流中に含まれる率直方向の瞬間的な速度勾配、即ち流れ横方向の渦度と関係していることがわかった。 さらに、本研究所潮岬風力実験所に設置された高さ8mの3次元角柱模型に加わる風圧力を180点の圧力変換器を用いて同時計測した。角柱側面に加わる風圧力分布の時系列データよりこの円錐状渦によってもたらされる局部負圧の可視化を行った。この結果、風が角柱模型壁面にほぼ垂直にあたる場合に、この局部負圧が側面上層の風上側縁部より発生し、発達しながら下方及び風下側に移流する現象が確認できた。 これまで筆者は、乱流境界層中ではこの円錐状渦が常に下向きに形成されていたことからこの渦を逆円錐状渦と呼んでいた。しかし、今回の風洞実験結果より上下の向きに一意性がないこと並びに定在型円錐状渦との区別をする意味からこの円錐状渦を移流型円錐状渦と呼ぶこととした。
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