研究課題/領域番号 |
08750717
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野田 恭明 東北大学, 工学部, 講師 (00185654)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ワークショップ / 「場」 / 「個」 / パーソンズの美術理論創作 / 集団形成 |
研究概要 |
本研究は、美術館の教育普及機能に着目したものであり、機能を読み解くためのキーワードとして「ワークショップ」という概念を採用している。概念の多様性や見るべき活動は数10例に絞られるといったプレ調査で得た知見を検討した結果。浅いアンケートを広範に行うのではなく、ケーススタディを積み重ねていく方法を採用することとした。成果は以下の通りであった。 1.広範囲に渡る文献調査、識者、現場の学芸員などに対するヒアリングを通して、「ワークショップはその原意である作業場、研究会という意味に留まらず、創造・創作するプロセスを共有していく体験の中から生活環境の中にそれぞれが独自の美を発見していく能力を体得するため設定される『場』」であると定義できることがわかった。 2. 1の定義に基づいて現在行われているを把握した。それらは、活動場所の固有性と活動目標から、a.体験活動(街・自然)、b.見学・観察、c.美術館探検、d.展示連携創作、e.作業体験(身体)、f.鑑賞法習得、g.オープンアトリエ、h.実技講習の8つに分類できることがわかった。 3. 2の多様な活動には、場所を美術館内に限定しないものも多いが、それらについては美術館は基地としての機能を、それ以外の行為についてはそうした多様性を担保し得るフレキシビリティが高いレベルで要求されていることを知った。 4.一般市民のアート嗜好についても対照調査を行った。パーソンズ美術理論を用いて分析した結果、嗜好は主体の性向によってかなり異なるが、メディア等で流布される「アート的」なものに引きづられる傾向が強い(ワークショップが目指しているものから遠い)ことを把握した。 5.参与調査から、各ワークショップでは、参加者はそれぞれが、かなり徹底して一度「個」に分断された上で、共同作業によりネットワーク化(集団形成)されていることが確認できた。
|