研究課題/領域番号 |
08750762
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古谷野 有 筑波大学, 物理工学系, 講師 (00215419)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 窒化鉄 / 還元窒化法 / γ相 / 状態図 / マルテンサイト変態 / bct相 / Fe_<16>N_2 |
研究概要 |
遷移金属最大の磁化を持つとされていたFe-Co合金を上回る2.8テスラの巨大磁化を持つFe_<16>N_2は磁性材料として十二分に魅力的であるが、これまでのところ薄膜以外の形状で単相試料の作製に成功した例はない。本研究では還元窒化法によって作製した窒素オーステナイト(γ相)をマルテンサイト変態させたのちに窒素を規則配列させてFe_<16>N_2を作製することを試みた。従来、1)γ相が含みうる最大窒素量が10.5%Kになる。3)残留オーステナイトを無くすことが出来ない、ことから還元窒化法によるFe_<16>N_2の単相試料作製は不可能であるといわれていた。 γ相の生成条件を探るために詳細な実験状態図を作成したところ、660℃付近の狭い温度範囲でγ相単相領域が11%以上まで広がっている事がわかった。また、外部応力がマルテンサイト温度を大幅に上昇させることがわかった。マルテンサイト変態を促進する種々の手法の組み合わせを試し始めたところだが、10at%N程度の試料でも残留オーステナイトを40%程度に減らすことに成功している。こうして出来たマルテンサイト相を120℃程度で熱処理したところ、粉末法X線回折とメスバウワ-分光の両方でFe_<16>N_2の生成が確認できた。X線回折の結果を検討したところ、マルテンサイトの全てが24時間程度の熱処理で容易にFe_<16>N_2とα-Feに変態する事がわかった。 本研究により還元窒化法にFe_<16>N_2単相試料を作製できるポテンシャルがあることが明らかになった。
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