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重金属イオン含有アンチモン系ガラスの構造と物性

研究課題

研究課題/領域番号 08750860
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 金属生産工学
研究機関九州大学

研究代表者

升田 裕久  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00229379)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードアンチモン系ガラス / 重金属イオン / ガラス化範囲 / 状態分析 / ガラス構造 / ガラス化条件 / 物性値
研究概要

本研究では、Tl_2O,PbO,Bi_2O_3,TlCl,PbCl_2,BiCl_3-Sb_2O_3系各二成分系についてガラス化範囲を調べた。得られたガラスについて状態分析を行ない、これらの系のガラス化の条件を明らかにした。さらに基礎物性値の蓄積のために、密度,熱膨張係数,ガラス転移温度,結晶化温度を測定した。
ガラス化範囲(バッチ量3g,冷却速度300K/s)を調べた結果、Tl_2O-Sb_2O_3系で10〜45mol%Tl_2O、PbCl_2-Sb_2O_3系で10〜50mol%PbCl_2の範囲でガラスが得られた。さらに、PbO-Sb_2O_3系に5mol%SiO_2を添加したPbO-Sb_2O_3-5SiO_2系において5〜45mol%PbOの範囲で、またSb_2O_3に5mol%以上SiO_2を添加した系でもガラスが得られた。蛍光X線のケミカルシフトの測定および赤外線吸収スペクトル,ラマンスペクトルの測定より、蛍光X線のケミカルシフトの傾向と赤外線吸収スペクトルあるいはラマンスペクトルにおけるピーク位置のシフトの傾向は対応し、10mol%Tl_2O以上のTl_2O-Sb_2O_3系ではSbイオンの原子価は3価と5価の混合、10mol%Tl_2O以下のTl_2-Sb_2O_3系,PbCl_2-Sb_2O_3系,PbO-Sb_2O_3-SiO_2系およびSiO_2-Sb_2O_3系では3価であることが示された。
Tl_2O-Sb_2O_3系ではTl^+イオンの酸素イオン供給能が大きいため、3価のSbイオンの一部は5価になり3価と5価の混合網目構造のガラスが形成される。一方、PbO-Sb_2O_3系やPbCl_2-Sb_2O_3系のようにPb^<2+>イオンの酸素イオン供給能が小さく、Sbイオンとともに層状構造を作る系では、その構造を架橋する陰イオンが存在すればSbイオンが3価でガラス化することがわかった。すなわちPbCl_2-Sb_2O_3系ではCl^-の存在によりガラス化したのに対し、PbO-Sb_2O_3系ではSiO_2添加により(SiO_4)^<4->が生成しガラスが得られた。
以上のことから、Tl^+,Pb^<2+>,Bi^<3+>イオン含有アンチモン系のガラス化の条件として修飾成分の酸素イオン供給能と層状構造形成能および架橋成分の有無があることがわかった。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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