研究概要 |
本研究(=物質の自己組織化を用いたナノレベル複合材料の合成と光物性)では、ナノサイズ無機酸化物のメソポーラスクリスタル(MCM)のナノポアの中に有機系機能材料(即ち、高分子、色素など)の分子やクラスターをドープして、新しい複合光機能材料の作成法の確立と光物性の評価を中心とした基礎研究である。 マトリックスとして、TEOS(TetraethylOrthosilicate)を、表面活性剤として、CnTMA(Tetramethyl Ammonium)とFeTMA(Ferrocenyltrimethylundecylammonium)などを用いて、ゾル-ゲル法で試薬の種類、濃度、溶液のpH、温度などを変化させることによりサイズの異なるナノポアを持つ自己組織化をしたSiO_2,V_2O_5,WO_3などのMCMを作製し、有機機能分子として、ポリジアセチレン(PDA)、フタロシアニンなどをSiO_2,V_22O_5,WO_3などのMCMのナノポアの中に入れ、物質の自己組織化を用いたナノサイズ複合材料の合成を試みた。透過電子顕微鏡(TEM)とX線回折などでサイズと構造を評価した。光吸収スペクトルでポリジアセチレン(PDA)、フタロシアニンなど機能分子の光物性を評価した。また、フタロシアニン機能分子をドープしたV_2O_5-MCM系において、ドープ量が増えると、アモルファス構造から結晶構造に相転移が起こることを観測した。
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