研究課題/領域番号 |
08750902
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
石原 篤 東京農工大学, 工学部, 講師 (60212908)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | IV-V族複合化合物 / ルテニウムカルボニル / 担持触媒 / 水素化脱硫反応 |
研究概要 |
本研究では、担体として用いるトンネル構造を持つアンチモン酸塩系複合化合物を合成し、それに本研究室でこれまで検討してきたアニオン性のルテニウムカルボニルを担持して、水素化脱硫反応を行い、新規脱硫触媒の開発を合わせて検討した。新規トンネル構造を持つIV-V族複合化合物Rb_4Sb_4O_8(Si_4O_<12>)(以下Rb-Sb-Siとする)及びK_4Sb_4O_8(Si_4O_<12>)(以下K-Sb-Siとする)はゾル-ゲル法により合成した。これらの化合物を5℃/minで、450、1100あるいは1200℃まで昇温し、2あるいは24時間保持して焼成した。できた化合物の表面積をBET法により測定した。Rb-Sb-Si(焼成温度1200℃)ではほとんどN_2吸着が見られず、表面積は極めて小さいものと思われた。K-Sb-Si(1100℃)でもごくわずかしか吸着が見られなかった。K-Sb-Si(450℃)もかなり少ない吸着量であったが、BET法により求めた表面積Sは0.03m^2/gであった。次にXRD測定を行った。Rb-Sb-Si(1200℃)は2θ=25-35°で数本のピークが見られ、近い値が得られた。K-Sb-Siでは450℃で焼成したものは全くピークが見られなかったが、焼成温度1100℃でピークがみられ目的物質ができていると推測された。また、担体としての有用性を調べるためにルテニウムカルボニルを担持して水素化脱硫反応を行った。触媒調製はまず、Ru_3(CO)_<12>とCsOHとの反応によりアニオン性の錯体を合成し、これを調製した担体に担持して用いた。水素化脱硫反応は、固定床流通式反応装置を用い、まず硫化水素と水素の混合ガスで予備硫化した後、反応温度300℃、50kg/cm^2、WHSV28h^<-1>、水素流量25L/hの条件下で行った。表面積が求められたK化合物にルテニウムを担持し、水素化脱硫反応を行ったが、ほとんど活性が見られなかった。これは表面積が小さいため、ルテニウムがうまく担持できなかったと推測される。今後の展開として担持ロジウム触媒が極めて高活性であることを見い出したので、これについて検討する。
|