研究概要 |
本研究では複合固体酸上のBronsted酸点、Lewis酸点の強度分布の情報をスペクトルとして得るための測定法としてdimethlpyridine類をプローブとした昇温脱離法(DMP-TPD)を検討した。プローブ分子は塩基点の近傍にmethyl基を持つ2,6-dimethlpyridine(2,6-DMP)と塩基点から離れた位置にmethyl基を持つ3,5-dimethylpyridine(3,5-DMP)の2種を用い、Lewis酸点のみを持つAl_2O_3,Bionsted酸点のみを持つB_2O_3/Al_2O_32をモデル試料として赤外分光法によりこれら分子の吸着状態を観察した。これらの分子の吸着状態は温度、雰囲気、複合固体酸強度に依存するが、これらを適切に設定することにより、3,5-DMPがBronsted酸点とLweis酸点の両方に吸着し、一方2,6-DMPがBronsted酸点に選択的に吸着する事が明らかとなった。この結果より、2,6-DMPの昇温脱離スペクトルより複合固体酸上のBronsted酸点の強度分布・量が測定され、また3,5-DMPと2,6-DMPの差スペクトルからLweis酸点の強度分布・量が測定されることが明らかとなった。本法を種々の複合固体酸に応用したところ、SiO_2-Al_2O_3のようにH_<o,max>が-11.9以下の固体酸には適用できないが、SiO_2-MgO等のH_<o,max>が-8.2以上の固体酸に対して有効であることがわかった。
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